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ドラゴンクエスト

【ゲーム】ドラゴンクエスト10神話篇考察~時渡りの術とラーミア&エスタークの関係

こんにちは、道場主です。

ドラクエ10ずっとやってます。
ついにはドラクエ10専用ツイッターアカウントまで開設しました。

今作ではドラクエ4のロザリーさんをロールプレイしてます。
中の人のキャラが邪魔をして、清楚なエルフっ娘を演じる事が出来ませんがね。


さてさて本題ですが、今回の神話篇考察は、
好評を頂いたアストルティアとカメさまの関係を著した記事の続きになります。

前回明らかにしたのは、転生を果たした主人公の存在が、
「全ての死をあまねく」はずの冥王ネルゲルと矛盾している点でした。
主人公が持つ「時渡りの術」によって死を回避したのですが、
ではいったい"時渡り"とは何なのか。力の根源には何があるのか。

 実は、この答えがver.1.4で既に示されているのです。

毎回恒例のスーパーネタバレタイムになりますが、
7月4日から更新されるパーティー同盟クエストの公開の前に、
読んでおいても損はありませんよ。

では、どうぞ。 


―――


王者セット

↑王者セット。胸のマークに注目。


ver.1.4から本格始動した神話篇ですが、最後まで進めると、
"時の王者"として認められた証である「王者セット」が手に入ります。

さっそくロザリーさんに着てもらったのですが、
あれ?胸のマーク、どっかで見た事ありますよね…。


ロトの紋章

↑エスタード島の紋章との比較画像。
 (引用:ドラクエ7の謎解き(3)この世の彼方の海と島



この鳥の紋章、『ドラクエ7』のエスタード島にある、
謎の神殿の扉に刻印されたレリーフとまるで同じもの
なのです!

なるほど、そう言われてみれば『7』も、時渡りのストーリーでした。
石版を使って過去の世界に行き、現在起きている問題を解決するといったもの。
『ドラクエ10』でのレイダメテスと破邪舟のエピソードは、
『7』の各石版ごとのお話をなぞるような流れになっているのです。
そっくりそのまま『7』の方に盛り込まれていても、全く問題ありません。

引用元の記事にもあるように、ドラクエシリーズで「鳥」と言えば、
不死鳥ラーミアの事であると見て間違いありません。
 しかしなぜこんな所にラーミアが…?


ラーミアさんと言えば、『8』で出てきたレティスと同一である事が、
ご本人の口から語られるという衝撃の事実から判明した為、
時空を飛び越える事の出来うる存在、というのはもはや常識ですよね。

このラーミア=レティスであると新たに定義したのが、
何を隠そう『10』 のディレクターを務められる、藤澤仁その人であります。
藤澤さんは『7』と『8』の頃はシナリオスタッフを担当しており、
過去と現在を行き来するというプロットは、藤澤さんが作ったものです。
そりゃ『10』の過去編が『7』のストーリーとかぶってるのも当然。

どうやら藤澤さんは"時渡り"が大好きなようで、ドラクエシリーズ以外にも、
『エルアーク』というモバイルRPGの追加シナリオにおいて、
「時渡りの飛竜サルバ」なるタイトルのお話を書いています。

という事は、時渡りが大好きな元シナリオ担当の現ディレクターが、
最新作においてラーミアが時空を越えてアストルティアにも飛来していた
と再定義を図っていたとしても、何ら不思議ではありません。
何より、王者セットの胸のマークがそれを証明しているのです。


同じ時渡りのストーリーである『ドラクエ7』と『ドラクエ10』が、
同じ人によって作られたという点を考慮すると、
エスタード島のレリーフと王者セットのマークが一致しているのも、
必ず隠された意味があるはずです。

ラーミアはなぜアストルティアにやってきたのでしょうか。


―――


『ドラクエ10』が過去作のお話をモチーフにしている所は、もう1つあります。
それは、レンダーシアを襲った魔瘴と死です。

では、ドラクエシリーズで最初に魔瘴が出てきたのはどこだったか?
ドラクエファンの方なら、もちろん記憶にあるでしょう。

そうです、『ドラクエ4』のアッテムト鉱山です!


鉱山夫A
 こうざんから へんなガスが わいてきて
 ひとが ばたばたと たおれたんだ。

 ゴホゴホ……。


鉱山夫B
 ゴホゴホ……。 いのちが おしかったら
 こうざんには はいらないことです。

 へんなガスが でたときから
 まものたちが あらわれはじめて……。
 ゴホゴホ……。



これも『10』のお話と一致してますよね。

冥王ネルゲルは魔瘴の力を使ってアストルティアを危機に陥れましたが、
その力の根源は、空を切り裂いて別の所から持ってきてます。
そして賢者ホーローは、その根源を叩かない事には、
レンダーシアを包む魔瘴は晴れないと主人公に伝えています。

では、魔瘴の力の根源っていったい何なの?


エスターク

↑神話篇ラスボス。あれ?どこかで…。


はい、これも言うまでもありませんね。
アッテムト鉱山奥の神殿より現れた、地獄の帝王・エスタークです。
今作でも光の河の地底から這いずり出てきて、
落葉の草原にあるガケっぷちの村を一瞬で吹っ飛ばしています。
冥王ネルゲルは魔瘴をもたらす存在を「闇の根源」と呼んでいますので、
ネルゲルをあの姿に変えた手は、エスタークであったと思われます。

そしてこのエスターク様、ラーミアと同様に時空を越え、
『ドラクエ5』の隠しダンジョンに登場しています。
そして『10』の神話篇でも、ついにその姿を現した…。
つまりこれは、エスタークにも時渡りの力があるという事に他なりません。


エスタークは進化の秘法によって、常に襲ってくる睡魔と代償に、
究極の生物へと進化し、不老不死の肉体を得ています。

天空城書庫:『戦いの歴史』より
 遥か昔、魔族の王エスタークは恐ろしいものを創りだした。それは進化の秘法。
 エスタークはその力で自らを神をも超える究極の生物に進化させた。

すなわち時渡りとは、不老不死である事を必要条件とした、
時間を超越する力であると考えられます。


問題は、なぜエスタークが登場した新シナリオで、
王者セットにある鳥の紋章もわざわざ出てきたのかにあります。

あまりにもタイミングが良すぎです。

ですが、これもやはり藤澤ディレクターの計算の内であると考えれば、 
ここまで述べてきた全ての謎に合点がいくはず。 


王者セットの鳥の紋章は、時渡りの術の使い手が、
時空を越えてアストルティアにやってきたラーミアの加護を受けた証でしょう。
不老不死の象徴であるカメさまの転生を受けて蘇った主人公が、
不死鳥の力を根源とする王者装備に身を包むのに違和感はありません。

それと同様に、全ての死をあまねく存在である冥王ネルゲルが、
同じく死を司る帝王エスタークの魔瘴の力を根源とし、
生きとし生ける者の脅威となっていましたよね。
アッテムトの町を死に至らしめた根源の力を借りて死神の鎌を振るっていました。

つまり神話篇は、不死の象徴ラーミア vs 死の象徴エスタークという、
これまで主人公とネルゲルが代理戦争を戦ってきた生と死の物語の続編
であり、
全ての舞台が整い、役者が揃ったという事なのです。

実は両者は1度、ネルゲルの心臓から脱出する際に対峙しています。
ネルゲルを包み込んだ手が襲い掛かって来た後、
地底に落ちた主人公を救ったフルッカの操る破邪舟は、
まさに光の鳥の姿をしていたのです。

ラーミアはおそらく、地獄からの使者であるエスタークを討ち果たす為に、
アストルティアを守る主人公に力を貸すのでしょう。


―――


これを考えた藤澤さんは、オンライン化した今作の欠点も相まって、
様々な批判を一身に浴びてこられましたが、道場主はその意見に同調しません。
むしろ過去のシリーズを最もリスペクトし、最新作にも踏襲して、
登場させるキャラを再定義してプレイヤーに提示し納得させる力量を持った、
稀代の敏腕ディレクターという印象の方が強いです。
『10』への批判は、ハードに起因したシステム面の不都合に集まってますし、
ストーリーが悪い、という声はほとんど聞いた事がありません。

さあ、そんな藤澤さんが、この台詞を覚えているかどうか。
記事の最後に、エスタークが倒された後のデスピサロの台詞をご紹介しましょう。


 な なんということだ!
 エスタークていおうが たおされてしまうとはっ!

 しかし よげんでは ていおうを たおせるものは
 てんくうの ちをひく ゆうしゃのみ!
 まさか おまえたちは……!? 



てんくうのゆうしゃ…? 天空!?

そういえば神話篇のベースになったグレイナル叙事詩は、
『ドラクエ9』の主人公が、空の英雄と呼ばれる光竜・グレイナルに跨って、
ガナン帝国が従える黒い闇竜・バルボロスと戦う話でしたよね。
そして『10』の主人公に王者セットを渡したのは、
天使の像にかたどられた、『9』の主人公とおぼしき声…。

え…?
は? マジか。

7月4日以降のクエストで、天空シリーズを想起させる何かがあるなら…。
フジゲルを髪…じゃなかった神と崇めなければならんかもですね。


考察の続きはこちらから↓
【考察】01.ドルワーム王国と太陽の石 : ロザリーのアストルティア考古学

好評だったので別ブログを立ち上げました。
こちらも是非宜しくお願いします。 
  


ご清覧ありがとうございました。

【ゲーム】ドラゴンクエスト10考察~なぜアストルティアは亀の形をしているのか

お久しぶりです、道場主です。

3ヶ月ほど更新をお休みしてました。
何をやってたのかというと、『ドラゴンクエスト10』をやってました…!
WiiUデビュー組だったんですが、昨日ようやくエンディングを迎えましたよ。

あれ?以前にこんな記事を書かなかったっけ? 

…なんて いう人は今さら居ないでしょうから、
今回は以前から疑問に思っていた事を、記事にしてみようと思います。


その疑問とは、ずばり…
なぜアストルティアは亀の形をしているのか?

恒例のスーパーネタバレタイムですので、ご注意あれ。
では、どうぞ。 


―――


 アストルティア

 ↑アストルティアの地図。


さっそくですが、まずは上の地図を見て頂きましょう。
全国500万人のドラクエファンの皆さんならご存知、
『ドラクエ10』の冒険の舞台となる世界、アストルティアです。

今作のストーリーは、アストルティアの中心部・レンダーシア大陸の小島に住む、
エテーネ村の2人の兄弟(姉妹)を主人公にした話です。

レンダーシアには人間種が住んでいて、そこにエテーネの民も含まれます。
そしてその周りにはタイトル名にもある5つの種族が暮らす大陸があり、

 左上…オーグリード大陸 (オーガ)
 左下…ウェナ諸島 (ウェディ)
 右上…エルトナ大陸 (エルフ)
 右端…ドワチャッカ大陸 (ドワーフ)
 右下…プクランド大陸 (プクリポ)

となってます。


カメさま

エテーネ村にはカメさまという守り神が居て、
普段はじっとしたまま寝てるんですが、村に何か大事が起きれば、
すっくと立ち上がってエテーネの民を守ってくれるんです。

今作の主人公は、「カメさまの申し子」と村の人達から呼ばれていて、
村人の1人であるチマ婆さん曰く、

 カメさまの申し子には 特別な使命がある
 ……なんて言う人もいるけど xxxxは
 自分の生きたいように 生きればいいんじゃよ


との事。

申し子とか言われても何だかよく分かりませんが、とにかく、
主人公は「亀」と何らかの関わりがあるのでしょう。
序盤のストーリーを進める事で、少なくとも"特別な使命"というのが、
主人公だけが使える「時渡りの術」と関係している事も分かります。


で、ここからが本題なんですが、なぜ「亀」をストーリーの主軸に据えたのか、
という疑問を、今作の謎を解く為の中心定義として捉えた場合、
なんとなーく、アストルティアが亀の姿に見えてくるんですな。


ウェナ諸島北部にある湖に囲まれた白くて丸いのが、
ウェディの女王が治めるヴェリナード城下町という所なんですが、
さて、この部分って、「目」に見えませんか?
でで、ヴェリナードの周りの山深い部分が「頭」に見える。

そこから辿って見てみると、紫の霧がかかったレンダーシアが「甲羅」に、
その他の大陸が「手足」のように見えてきますよね?

…見えてくるんだよ。


―――


では、「亀」を主軸としたストーリーの謎とはいったい何なのか。
これを紐解けば、疑問が確信に変わるかも知れません。


「カメさまの申し子」である主人公は、血を分けた兄弟(姉妹)と共に、
エテーネ村で錬金術師として暮らしていました。

ある時、カメさまのお告げを聞いたエテーネの村の長・巫女アバ様が、

 まもなく このエテーネの村は……
 大いなる災厄に見舞われ 滅びる!
 エテーネの民は ひとり残らず
 死に絶えるじゃろう!


なんていうおっかない預言をエテーネの民の前でおっぴろげます。
騒然となる村民を前に、お告げには続きがあり、
北の果ての洞窟に咲く伝説の花があれば、滅亡の運命から逃れられる、
という旨も伝えます。たかが花いっこで村を救えるってどうよ。

まぁ何かしらの霊験あらたな伝説の花とやらを取りに、
もちろん主人公とその兄弟も選ばれ、すぐに村を出立します。

ところがアバ様は、災厄から逃れられるのは、
実はたったひとりだけである事を村民には伝えてませんでした。
この事実は、一緒に伝説の花を取りに行ったアバ様の孫・
シンイの口から、主人公に告げられます。

洞窟には魔物が先回りしてて、花を焼き払ってしまいましたが、
主人公の兄弟が謎の眼力を発揮して、1つだけ残っていた花をゲット。
すぐに村に戻りますが…既に村からは火の手が上がっていました。


ネルゲル

村を襲う災厄とは、全ての命の「死」を統べる存在・冥王ネルゲルが、
エテーネの民に伝わる「時渡りの術」の血を絶やすべく、
おびただしい数の魔物を引き連れて村ごと壊滅させる事だったのです。

壊滅した村に戻った主人公達でしたが、魔物がふいに放った
巨大な炎の塊が、主人公の兄弟の背後を飲み込もうとした、

その瞬間…!

主人公の中で眠っていた「時渡りの術」が無意識のうちに発動、
周囲の時間を停止させ、危機に瀕した兄弟を
過去の世界のレンダーシア大陸に飛ばしました。


これをしっかり目撃していた冥王ネルゲル様。
死神の鎌を取り出し、月夜の空を切り裂いたかと思うと、
そこから生命を脅かす紫の霧=魔瘴を大量に噴出させます。

魔瘴はちょっと吸っただけでも苦しみ悶え、頭がおかしくなり、
必ず死に至らしめるという大変に危険なもの。
これで何とレンダーシア大陸全体をすっぽり覆ってしまいました。
上の地図にある紫の霧は、ネルゲル様の仕業ですね。

この霧が原因で、最期まで奮闘した主人公も死んでしまいます。


実はこの後、ストーリー上から見ても大変重要だと思われるシーンが、
さらっと流れるのです。道場主はここに注目しました。


―――


カメさま

 ↑問題のシーン。


村の危機を察知したカメさまは、覚醒してすっと起き上がり、
背中の甲羅に光を集め、5つの光球を射出します。

このうちの1つが、死んだ主人公の中に入り込み、魂と融合して、
オンラインモードの開始場所となる神殿に飛んでいきますが、
おそらく射出された5つの光球には、神殿内にある5つの種族像に象られた、
それぞれの種族の神様の力が宿っていると考えられます。

神様の名前は、ドルワームの書庫で確認する事が出来ます。

 炎の神ガズバラン (オーガ)
 水の神マリーヌ (ウェディ)
 風の神エルドナ (エルフ)
 地の神ワギ (ドワーフ)
 花の神ピナヘト (プクリポ)

となってます。

これら神様の力が宿った光球が、肉体を失った主人公の魂を導き、
同じ日に死んだ別の種族の体に転生させます。
この時、カメさまなのか種族の神なのか分かりませんが、
主人公は天の声からこう告げられます。

 さあ お行きなさい。
 母なる大地 アストルティアへ。

 そして探すのです。 
 あなたの使命を。
 生まれ変わることの意味を……。


今作の主人公は、カメさまの申し子である自分の使命、
そして転生するに至った意味を探す旅に出るのです。


さて話が前後しますが、光の力が主人公に宿った事がなぜ重要なのか?
重要なのは、光球そのものではありません。
5つの種族の神様の力を宿した光が、なぜカメさまから、
しかも背中の甲羅から上方に射出されたのか
にあります。

RPGによくある光の力とかを持ってる人なら、
普通は手か、もしくは目などから、前方に射出しますよね。
いや人じゃなくてカメだからなのかもしれんですが、
そもそもエテーネの民の守り神であるはずのカメさまが、
なぜ別の大陸の5つの種族の力を持ってたのかがまず気になります。


石碑1

実はこのシーンの謎を解く手がかりが、エテーネ村のすぐ近くの
育みの大地にある石碑文に残されています。以下はその前段です。

 神より与えられた この広い世界で
 我らは 姿の異なる仲間たちと チカラを合わせ
 支え合い  共に暮らしてゆくと誓った。

 その誓いが 永遠であるよう願いを込めて
 世界の中心である この場所に
 愛すべき仲間たちの姿を残す。 


ここから読み取れるのは、エテーネの島がアストルティアの中心にある事。
エテーネの島は外界から遮断されていたと、転生が行われた神殿で、
天の声が教えてくれるのですが、どうやらかつてはエテーネにも
人間以外の別の種族も行き交っていた事が分かりますね。
そして種族共生の誓いを立て、永遠に守られる願いをかけたともあります。


種族共生のストーリーイベントは、ここからずっと後、
別の種族の姿を借りて成長した主人公が、時渡りの術を使って、
500年前の過去の世界を死の恐怖に陥れた、
偽りの太陽・レイダメテスを破壊する時に発生します。


石碑2

そしてエテーネの島にはもう1つ、伝説の花を取りに行った洞窟に、
過去の歴史が記された石碑が残されています。

 この世界で 平和に 暮らしていた
 すべての 生きとし生ける者は
 滅亡の危機に さらされた。

 今 空には ふたつの太陽が 昇っている。
 ふたつめの太陽…… それが現れてから
 この世は 地獄と化してしまったのだ。

 いまわしき ふたつめの太陽は 自在に空を駆け
 大地を焼き 海を干上がらせ
 人々を 灼熱の絶望に おとしいれた。

 太陽が ふたつになった理由など 知る由もない。
 わかっていることは 地上に 生きる者すべてが
 滅亡しようとしているということだけだ。


「ふたつめの太陽」とは、レイダメテスの事です。
レイダメテスは冥王を生み出す為の卵。死者の魂を糧としていて、
岩をも溶かすほどの灼熱地獄で地上の人々を死に追いやり、
その魂を吸収して暗黒の力を蓄えていた事は、
レイダメテスの守護者・ラズバーンが語っていた通りです。

このレイダメテスを破壊する時、飲み水をめぐって対立していた
それぞれの種族はお互いに手を取り合い、協力します。
おそらくエテーネ村の近くの石碑は、破壊を終え安息を取り戻した後に、
それぞれの種族が集まって造られたと推測されます。


では、なぜ永遠の誓いを立てた場所が、エテーネ島だったのでしょうか。
そしてなぜこれがカメさまと関わりがあるのでしょうか。

察しの良い方はもうお分かりでしょうね。
亀は不老長寿の象徴であり、永遠に続く事を意味します。
そして亀の甲羅は、神話上では世界を支えているという伝説が実際にあるほど、
硬くて丈夫なものとして、多くの人に信じられています。

つまり、固く誓った約束事をさらに固いものにする為に、
亀の守り神に守られたエテーネの地で誓い合ったという訳です。
しかも脆い手足に表される世界の端っこの方ではなく、
硬い甲羅のある中心部分、世界の中心部で。
だからこそカメさまには外界の5つの種族の神様の力が宿っており、
亀の甲羅のように固い絆で結ばれたアストルティアの世界は、
レンダーシア大陸を甲羅に見立て、全体が亀の姿をしているのでしょう。


ゆえに、カメさまは5つの種族神の力を取り出す時、
それぞれの種族が神に固く誓った背中の甲羅から、上方に射出したのです。


―――


世界が亀に守られていると仮定した場合、冥王ネルゲルとの対比も生まれます。


ネルゲル

ネルゲルはエテーネの村に降り立った時、こう言い放ちます。

冥王とは あまねく 死を統べる者。
生きとし生ける者が 死から逃れられぬように
何人たりとも 我からは 逃れられぬ。


そして成長した主人公が再度、自らの前に現れた時も、

冥王とは あまねく 死を統べる者。

そして生きとし生ける者は すべて
死からは 逃れられぬのだ!!


と、わざわざ同じ内容の台詞を2回も強調して言ってます。
それほど重要な意味がこの台詞の中に込められているのでしょう。

冥王の卵であるレイダメテスが死者の魂を吸収していたように、
卵から生み出た冥王ネルゲルも、死者の魂を刈り取って
自分のものにしていると、冥王の心臓に囚われていた霊魂が言ってましたね。


つまり、冥王はその名の通り「死」を象徴する存在であり、
万民を必ず死に至らしめなければならない運命を背負っています。
「生」を象徴するカメさまと、カメさまの申し子である主人公とは、
180度異なる、真っ向から対立するものなのです。
カメさまの力は鉄壁ガード。そして兄弟を守った主人公の力は、
時間を操って死ぬ運命を回避する事の出来る力ですが、
「すべての死を統べる」と言った冥王の台詞とは矛盾が生じます。

冥王の立場からしてみれば、肉体を死に至らしめても、
魂を別の肉体に宿し、自分を産み落とした卵も破壊しやがり、
挙句の果てに船まで造って居城へ乗り込んで、2度も対峙を果たしてくるなど、
主人公はこの上ないくらい厄介極まりない存在です。
ゾンビか何かのような、肝の冷える恐ろしさすら感じた事でしょう。
しかしそこは流石は冥王、おくびにも出しません。
自分の存在意義を再度語って聞かせる余裕すら見せます。


ここから分かるのは、全ての死を司る冥王ネルゲルが、
全ての生を司るカメさま(と申し子)の住む地を真っ先に攻撃した理由
です。

亀をぶち殺すのなら、脊髄などの中枢神経の通る甲羅を破壊するに限ります。
ここさえ抑えてしまえば、残った手足を征服するなど容易いはず。
冥王は、万民を死に誘う布石を打ったのです。
なるほど、伊達に下まつげは生やしてないな、理にかなってる。


―――


これまでの考察まとめです。


 ・ カメさまは不老長寿の象徴。5つの種族神の力を背中の甲羅に宿している。
 ・ 主人公は生を司る存在。時間を操って死の運命を回避できる。
 ・ 5つの種族はカメさまが居る世界の中心の地で種族共生の固い誓いを立てた。
 ・ 共に生きる永遠の誓いを象るべく、アストルティアは亀の形をしている。
 ・ ネルゲルがあまねく「死」を象徴する存在なら、主人公の転生はそれに矛盾する。



以上となります。



5月16日には4度目の大型アップデートがあり、ver.1.4として、
神話篇のストーリーが新たに始まるみたいです。

前作『ドラクエ9』は、旧約聖書の創世記を元にしたストーリーでした。

 元始に神天地を創造たまへり
 地は定形なく曠空くして黑暗淵の面にあり神の靈水の面を覆たりき
 神光あれと言たまひければ光ありき
 神光を善と觀たまへり神光と暗を分ちたまへり
 神光を晝と名け暗を夜と名けたまへり夕あり朝ありき是首の日なり


~旧約聖書 創世記より

創造神グランゼニスは女神セレシアを作り、人間と人間界を作りました。
しかし、人間の創造が失敗であったと考えたグランゼニスは、
魔獣アルマトラを作り、人間を滅ぼそうとします。
これに反対したのが女神セレシアで、その姿を世界樹に変え、
グランゼニスの考えに無言の抗議をします。

セレシアの人間を思う心に打たれたグランゼニスは、
天使界と天使を作り、人間の善意を見守る事にしました。
それから長い時が経ち、人間の善意が世界樹に集まって実った
女神の果実を口にした前作の主人公が、神から切り離され、
人間として生きるようになった、というのが前作のあらすじ。


神話というのは、神様のお話ではありません。
神様から切り離された人間が語り継ぐ為に作ったお話です。

『ドラクエ10』神話編の予兆クエストで、「星空の守り人」という
前作『9』のサブタイトルを表すキーワードがばっちり出てきましたから、
神様から切り離されたその後の世界がどうなったのかを
説明するストーリーになるはずです。


現実世界の神話では、その後の世界は「大洪水」に見舞われます。
人間は災厄を乗り越えるべく、ノアの箱舟を建造し、
動物のつがいも1組ずつこれに乗せ、大洪水を回避します。

さて、予兆クエストで示されたゴフェル計画と、
箱舟=大陸間鉄道が指し示す、人間の進むべき道はいかなるものか、
第2回の考察で解き明かしていきましょう。

  


ご清覧ありがとうございました。

【ゲーム】ユーザー目線から見たドラゴンクエストのオンライン化


ドラゴンクエスト10


↑オンラインで無かったら…ねぇ。


今、私が注目している事と言えば…。
8月2日に発売されたWiiの新作ソフト、『ドラゴンクエスト10』です。

漫画はどうした。

私はWiiは持っているのですが、『ドラクエ10』は買ってないんですよね。
『9』まではやってましたけど、さすがにオンラインというのは…。
けっこうこういう人が多いみたいで、先日発表された同ゲームの初週販売本数は
前作の2割程度の42万本と、話題を集めるには至っていません。

『ファイナルファンタジー11』で既にオンライン化の実績のある
スクウェアエニックスですが、『FF11』はPC市場をメインターゲットにしており、
家庭用ゲーム機でのオンライン化というのはかなりの冒険だったと言えます。
しかもそれがドラクエで、しかもナンバリングタイトルでと来れば、
従来のファンから疑問符が付いても不思議ではありません。


引用:アニメな日々、漫画な月日 様

今回はとっても個人的な見解になりますが、
なぜスクエニがドラクエシリーズのオンライン化に踏み切ったか、
経済学の観点からちょいちょい補足的に解説をしつつ、
なぜ私がそれを支持しなかったのかを述べていきたいと思います。

なお、強烈な【Wii下げ】の文章が含まれていますので、
任天堂ファンの方はご注意下さい。



―――


さて、まずはスクエニの狙いです。スクエニは合併前から、
バランスシート(財政状況)の不安定さが指摘されていました。
両者とも出せば売れる看板タイトルを抱えながらも、
開発スパンの長期化で、収益が上がらない年があったりしたので、
合併してソフト供給サイクルを安定化させました。

しかし、結局はこれもソフトの売上に左右されてしまいかねない、
フロー(流動)型の収益構造には変わりありません。
そこでさらに安定化させる為に行ったのが、ストック(固定)型への転換。
つまり、定常的な収益が期待出来る"オンライン化"です。

スクエニは、企業として当然の選択をしています。
フローに依存した自転車操業では、バランスシートの修復は不可能です。
まずここを念頭に置いておく必要があります。


『ドラクエ10』のプレイ人口が42 → 50万人に伸びたと仮定します。
50万人の人が6000円の商品を買った場合、営業収益は30億円になります。
このうち2割を小売や運送会社などに払ったとして、残りは24億円です。
そこからユーザーが毎月1000円の月額利用料を課金したとすると、
月単位で5億円のストックが得られる事になります。
課金ユーザーは4週置きに1割ずつ減っていく事にしましょう。

では、前作『ドラゴンクエスト9』の収益はどうだったか。
400万人の人が5000円の商品を買ったと計算すると、営業収益は200億円です。
小売・運送もろもろ差し引いて、最終的な収益が160億だったとします。

5億円+4.5+4.05+3.645+…と、継続的な収益構造が確立された場合、
『ドラクエ10』は1年後に150億円を売り上げ、前作の収益を越えるのです。
あな恐ろしや、これがストック型の強みですね。


と こ ろ が 、、、


世の中そうは上手くはいきません。

仮に課金ユーザーが倍の早さで減っていったらどうなるでしょうか?
1年後で95億、2年経ったら全く伸びず100億円に留まります。
サーバー管理費や人件費を差し引けば、前作より確実にマイナスです。
つまりストックを保持するには、いかに長く遊んでもらうかがポイントである為、
ユーザーを繋ぎ止める方策が絶対不可欠という事です。

スクエニ側では10週ごとに大規模アップデートを予定してるそうですが、
実はこれ、大きな落とし穴があります。


―――


ここまで見てきた流れは、あくまでメーカー目線から見た皮算用に過ぎません。
ユーザー目線から見た場合、長く遊びたくても遊べない、
無視する事の出来ない懸念材料が、ここに重く圧し掛かってきます。

第一の懸念が、Wiiのハード寿命です。

『FF11』が10年間も継続したストックを得る事が出来たのは、
先に述べた通り、PC市場をメインターゲットにしていたからです。
しかし、『ドラクエ10』は家庭用ゲーム機で販売した事で、
ゲーム機本体の商品寿命とも戦っていかなければならなくなりました。
SD機であるWiiはハード寿命が既に尽きている上に、
折りしも時代はゲーム機からスマートフォンに移り変わる真っ最中。
10年間も戦えるオンラインゲームが据置ゲーム機で実現するはずがありません。

WiiUが2012年内に発売されたとしても、全く同じ事が言えます。
新型ハードと言えども10年も持たせるだけの設計がなされてないので、
スクエニの目論見は最初からアテが外れている事になります。


第二の懸念が、ユーザーの出費です。

第一の懸念より、ユーザーが毎月の利用料金だけでなく、
ハードの購入でさらなる金銭的な負担を強いられる事が分かります。
もちろんそのまま現行機に留まって遊べばよいのでしょうが、
魅力的な新作ソフトは後から次々に生まれてきます。
アップデートがユーザーを継続的に満足させられるものでなかったら、
ハードの過渡期を迎えた所で、これ以上の出費を敬遠する人が必ず現れます。

これらの懸念材料が残り続ける限りは、売上にもマイナスに作用する為、
『ドラクエ10』は『FF11』の成功をなぞる事が出来ないでしょう。


―――


家庭用ゲーム機でオンラインゲームを提供する事を現実的に見た場合、
『ドラクエ10』はリリースのタイミングも逸していました。

初週販売本数を2年前に発売された『モンスターハンター3(tri)』と比較すると、
『ドラクエ10』は42万本に対し、『モンハン3』は58万本です。
前者の方が若干スローペースかな?なんて思えてしまいますが、
この2年の間にWiiの普及台数が1000→1200万台に拡大している点を考慮すれば、
前者は29人に1人、後者は17人に1人が購入した計算になる為、
『ドラクエ10』は従来のユーザーを数字以上に取り込めていない事が分かります。

両者はともに携帯機で発売した前作の販売本数が400万本を越えています。
ユーザー数がほぼ互角のタイトルでこれだけ差が生まれたのには、
ソフトのオンライン化だけに起因するのではなく、
商品寿命が尽きたハードでリリースしたのも理由の1つと見られるのです。


最後に個人的な話をすると、『モンハン3』のオン環境はとにかく最悪の一言でした。
そのほとんどが、Wiiの特性に起因するものであった事を覚えています。
この時に味わったハードの制約とリテラシーの格差は、
ドラクエの新作に対してもマイナス印象を植え付けるに充分でした…。

実際は面白いのは遊ばずとも分かるんですが、
積極的に遊びたいという気持ちを萎えさせる要因があって、
それを敬遠している人も多いのではないかと思います。

『ドラクエ10』は家庭用ハードを選択した事に必ず足を引っ張られるでしょうが、
私はそれ以上に、Wiiに対する感情的な面で購入を避けました。


ちなみに私は、任天堂の十年来のファンです。
WiiUが、NINTENDO64のランドネットサービスの頃からの、
山内前社長の夢を実現したマシンである事も全て承知しています。

その上で、任天堂のハード設計思想には疑問を呈しています。
クラシックコントローラーPROであったり、3DSの拡張スライドパッドであったり、
経年変動に耐えられない設計のミスマッチが多すぎる。
アンバサダープログラムや3DSLLの投入に至っては、言語道断です。
ユーザーにそういう所で損をさせると、信頼も損ないかねないと思ってます。
顧客満足を二の次にして企業論理を優先させたメーカーがどうなったか、
3Dテレビの市場展開の失敗を見ても分かります。

スクエニに対しても、ストック型への転換を図る事は企業として当然ですが、
必ずしもそれがユーザーにとってプラスになるとは思えません。
少なくとも『ドラクエ10』は、ユーザー目線から見てフレンドリーではありません。
10年間戦える息の長いソフトにしていくのであれば、
10年経っても衰えないような設計思想を持ったハードで発売すべきでした。


任天堂もスクエニも、顧客満足の観点から見た商品作りを、
もう1度、思い出してもらいたい所です。
 


ご清覧ありがとうございました。

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