こんにちは、道場主です。

ドラクエ10ずっとやってます。
ついにはドラクエ10専用ツイッターアカウントまで開設しました。

今作ではドラクエ4のロザリーさんをロールプレイしてます。
中の人のキャラが邪魔をして、清楚なエルフっ娘を演じる事が出来ませんがね。


さてさて本題ですが、今回の神話篇考察は、
好評を頂いたアストルティアとカメさまの関係を著した記事の続きになります。

前回明らかにしたのは、転生を果たした主人公の存在が、
「全ての死をあまねく」はずの冥王ネルゲルと矛盾している点でした。
主人公が持つ「時渡りの術」によって死を回避したのですが、
ではいったい"時渡り"とは何なのか。力の根源には何があるのか。

 実は、この答えがver.1.4で既に示されているのです。

毎回恒例のスーパーネタバレタイムになりますが、
7月4日から更新されるパーティー同盟クエストの公開の前に、
読んでおいても損はありませんよ。

では、どうぞ。 


―――


王者セット

↑王者セット。胸のマークに注目。


ver.1.4から本格始動した神話篇ですが、最後まで進めると、
"時の王者"として認められた証である「王者セット」が手に入ります。

さっそくロザリーさんに着てもらったのですが、
あれ?胸のマーク、どっかで見た事ありますよね…。


ロトの紋章

↑エスタード島の紋章との比較画像。
 (引用:ドラクエ7の謎解き(3)この世の彼方の海と島



この鳥の紋章、『ドラクエ7』のエスタード島にある、
謎の神殿の扉に刻印されたレリーフとまるで同じもの
なのです!

なるほど、そう言われてみれば『7』も、時渡りのストーリーでした。
石版を使って過去の世界に行き、現在起きている問題を解決するといったもの。
『ドラクエ10』でのレイダメテスと破邪舟のエピソードは、
『7』の各石版ごとのお話をなぞるような流れになっているのです。
そっくりそのまま『7』の方に盛り込まれていても、全く問題ありません。

引用元の記事にもあるように、ドラクエシリーズで「鳥」と言えば、
不死鳥ラーミアの事であると見て間違いありません。
 しかしなぜこんな所にラーミアが…?


ラーミアさんと言えば、『8』で出てきたレティスと同一である事が、
ご本人の口から語られるという衝撃の事実から判明した為、
時空を飛び越える事の出来うる存在、というのはもはや常識ですよね。

このラーミア=レティスであると新たに定義したのが、
何を隠そう『10』 のディレクターを務められる、藤澤仁その人であります。
藤澤さんは『7』と『8』の頃はシナリオスタッフを担当しており、
過去と現在を行き来するというプロットは、藤澤さんが作ったものです。
そりゃ『10』の過去編が『7』のストーリーとかぶってるのも当然。

どうやら藤澤さんは"時渡り"が大好きなようで、ドラクエシリーズ以外にも、
『エルアーク』というモバイルRPGの追加シナリオにおいて、
「時渡りの飛竜サルバ」なるタイトルのお話を書いています。

という事は、時渡りが大好きな元シナリオ担当の現ディレクターが、
最新作においてラーミアが時空を越えてアストルティアにも飛来していた
と再定義を図っていたとしても、何ら不思議ではありません。
何より、王者セットの胸のマークがそれを証明しているのです。


同じ時渡りのストーリーである『ドラクエ7』と『ドラクエ10』が、
同じ人によって作られたという点を考慮すると、
エスタード島のレリーフと王者セットのマークが一致しているのも、
必ず隠された意味があるはずです。

ラーミアはなぜアストルティアにやってきたのでしょうか。


―――


『ドラクエ10』が過去作のお話をモチーフにしている所は、もう1つあります。
それは、レンダーシアを襲った魔瘴と死です。

では、ドラクエシリーズで最初に魔瘴が出てきたのはどこだったか?
ドラクエファンの方なら、もちろん記憶にあるでしょう。

そうです、『ドラクエ4』のアッテムト鉱山です!


鉱山夫A
 こうざんから へんなガスが わいてきて
 ひとが ばたばたと たおれたんだ。

 ゴホゴホ……。


鉱山夫B
 ゴホゴホ……。 いのちが おしかったら
 こうざんには はいらないことです。

 へんなガスが でたときから
 まものたちが あらわれはじめて……。
 ゴホゴホ……。



これも『10』のお話と一致してますよね。

冥王ネルゲルは魔瘴の力を使ってアストルティアを危機に陥れましたが、
その力の根源は、空を切り裂いて別の所から持ってきてます。
そして賢者ホーローは、その根源を叩かない事には、
レンダーシアを包む魔瘴は晴れないと主人公に伝えています。

では、魔瘴の力の根源っていったい何なの?


エスターク

↑神話篇ラスボス。あれ?どこかで…。


はい、これも言うまでもありませんね。
アッテムト鉱山奥の神殿より現れた、地獄の帝王・エスタークです。
今作でも光の河の地底から這いずり出てきて、
落葉の草原にあるガケっぷちの村を一瞬で吹っ飛ばしています。
冥王ネルゲルは魔瘴をもたらす存在を「闇の根源」と呼んでいますので、
ネルゲルをあの姿に変えた手は、エスタークであったと思われます。

そしてこのエスターク様、ラーミアと同様に時空を越え、
『ドラクエ5』の隠しダンジョンに登場しています。
そして『10』の神話篇でも、ついにその姿を現した…。
つまりこれは、エスタークにも時渡りの力があるという事に他なりません。


エスタークは進化の秘法によって、常に襲ってくる睡魔と代償に、
究極の生物へと進化し、不老不死の肉体を得ています。

天空城書庫:『戦いの歴史』より
 遥か昔、魔族の王エスタークは恐ろしいものを創りだした。それは進化の秘法。
 エスタークはその力で自らを神をも超える究極の生物に進化させた。

すなわち時渡りとは、不老不死である事を必要条件とした、
時間を超越する力であると考えられます。


問題は、なぜエスタークが登場した新シナリオで、
王者セットにある鳥の紋章もわざわざ出てきたのかにあります。

あまりにもタイミングが良すぎです。

ですが、これもやはり藤澤ディレクターの計算の内であると考えれば、 
ここまで述べてきた全ての謎に合点がいくはず。 


王者セットの鳥の紋章は、時渡りの術の使い手が、
時空を越えてアストルティアにやってきたラーミアの加護を受けた証でしょう。
不老不死の象徴であるカメさまの転生を受けて蘇った主人公が、
不死鳥の力を根源とする王者装備に身を包むのに違和感はありません。

それと同様に、全ての死をあまねく存在である冥王ネルゲルが、
同じく死を司る帝王エスタークの魔瘴の力を根源とし、
生きとし生ける者の脅威となっていましたよね。
アッテムトの町を死に至らしめた根源の力を借りて死神の鎌を振るっていました。

つまり神話篇は、不死の象徴ラーミア vs 死の象徴エスタークという、
これまで主人公とネルゲルが代理戦争を戦ってきた生と死の物語の続編
であり、
全ての舞台が整い、役者が揃ったという事なのです。

実は両者は1度、ネルゲルの心臓から脱出する際に対峙しています。
ネルゲルを包み込んだ手が襲い掛かって来た後、
地底に落ちた主人公を救ったフルッカの操る破邪舟は、
まさに光の鳥の姿をしていたのです。

ラーミアはおそらく、地獄からの使者であるエスタークを討ち果たす為に、
アストルティアを守る主人公に力を貸すのでしょう。


―――


これを考えた藤澤さんは、オンライン化した今作の欠点も相まって、
様々な批判を一身に浴びてこられましたが、道場主はその意見に同調しません。
むしろ過去のシリーズを最もリスペクトし、最新作にも踏襲して、
登場させるキャラを再定義してプレイヤーに提示し納得させる力量を持った、
稀代の敏腕ディレクターという印象の方が強いです。
『10』への批判は、ハードに起因したシステム面の不都合に集まってますし、
ストーリーが悪い、という声はほとんど聞いた事がありません。

さあ、そんな藤澤さんが、この台詞を覚えているかどうか。
記事の最後に、エスタークが倒された後のデスピサロの台詞をご紹介しましょう。


 な なんということだ!
 エスタークていおうが たおされてしまうとはっ!

 しかし よげんでは ていおうを たおせるものは
 てんくうの ちをひく ゆうしゃのみ!
 まさか おまえたちは……!? 



てんくうのゆうしゃ…? 天空!?

そういえば神話篇のベースになったグレイナル叙事詩は、
『ドラクエ9』の主人公が、空の英雄と呼ばれる光竜・グレイナルに跨って、
ガナン帝国が従える黒い闇竜・バルボロスと戦う話でしたよね。
そして『10』の主人公に王者セットを渡したのは、
天使の像にかたどられた、『9』の主人公とおぼしき声…。

え…?
は? マジか。

7月4日以降のクエストで、天空シリーズを想起させる何かがあるなら…。
フジゲルを髪…じゃなかった神と崇めなければならんかもですね。


考察の続きはこちらから↓
【考察】01.ドルワーム王国と太陽の石 : ロザリーのアストルティア考古学

好評だったので別ブログを立ち上げました。
こちらも是非宜しくお願いします。 
  


ご清覧ありがとうございました。