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第46回衆議院議員総選挙(平成24年12月16日施行) に参加中!

衆議院選挙


さぁいよいよ、日本の将来の行く末を決める、
第46回・衆議院議員総選挙が、本日4日に公示されました。

原発の是非、消費税増税の是非、TPP参加是非、など、
色んな政策をめぐって新党が乱立し、戦国模様を呈してきた訳ですが、
漫画やアニメに関する政策ってどうなってんの?」ってとこが、
テレビなどのニュースを見ても、よく分かりませんね。

そこで今回は、漫画およびアニメファンの方々に、
いったいどの党に投票すれば良いのかを判断してもらえるように、
各党の関連マニフェストの要旨をまとめてみました。


追記: 表現規制の政策一覧についてはこちら


―――


※ 以下、前置きが続きます。結論だけご覧になりたい方は、
  主要各党の政策一覧まで読み飛ばしちゃって下さい。



まず明らかにしなければならないのは、漫画・アニメファンの定義です。
問題だけを大づかみに取り上げても、それを構成する要因は様々。
深夜アニメクラスタも居れば、ジブリしか観ない層も居るので、
ターゲットがどこに設定されているのかを把握しておく必要があります。

ここでは、矢野経済研究所の2011年のデータを採用し、

 ・ 漫画923万人、アニメ1,048万人。実質推定人口1200万人。
 ・ 20代~40代までが大半。
 ・ 男性65%:女性35%と、男性が多い。
 ・ それ以外のコンテンツ(ゲームやアイドル市場など)は除く。

以上のように定義します。「オタク」を自覚しつつ、
漫画やアニメにある程度お金を使うユーザー全般の事です。

参照:2011 クール・ジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究

オタク人口

 ↑    =漫画・アニメファンの人口分布。
  (てきとーにイメージ化したものです。あくまでイメージ。)



前回2009年の総選挙の時の有権者の平均年齢が52.4歳で、
投票率や1票の格差を反映すると60歳以上が過半数を占めています。
若い世代の意見がほとんど反映されない事情がありますが、
逆に言えば、どの党が若年層の抱える問題を親身に考えているかというのが、
政策として見えてきやすいという事でもあります。


―――


続いて、 漫画・アニメファンを取り巻く諸問題について。
制作会社の問題、制作者の問題と、ユーザーの問題の3つに大別されます。


【制作会社の問題】
 ・ 市場規模の減少
 ・ 不健全な下請け取引の常態化

【制作者の問題】
 ・ 劣悪な労働条件
 ・ 海賊版の横行

【ユーザーの問題】
 ・ 正規雇用の減少
 ・ 雇用のミスマッチによる早期離職



現状として、漫画・アニメ産業の市場規模は5年以上連続で減少しています。
上記のような問題が複合的な要因となっている為で、
どれか1つに絞って対策を打っていても、問題は解決しません。

例えば、あなたの持ってるパソコンの処理速度が停滞してるとして、
CPUだけ上げるとか、メモリだけ増やすとかはしませんよね。
部分的ではなく、全体を最適化しなければ効果は低いままでしょう。
 
ただし、やるべき事には優先順位を付けなくてはなりません。
その為に少しマクロ的な観点から経済を見てみると、
現在の日本は、21年連続バランスシート世界一の国です。
経常収支はずっと黒字なのですが、近年は黒字幅が減ってきています。
マスコミがしきりに「国の借金」と言ってるのは、実際は「政府の借金」の事で、
確かにこれ以上増えるとまずい事はまずいのですが、
ぶっちゃけ今の経済状況において優先順位が高いのは、
「借金を減らす事」でなく、「収入を増やす事」にあります。


バランスシート

参照:「国の借金」意味分かって使ってる?:日経ビジネスオンライン


つまり重要なのは、

 (1)  適切な処方箋(増収目標)に基づいた投薬(投資)を行っている事
 (2)  副作用(減収につながる副因)を抑える薬も処方されている事


という全体最適化によって、英国病ならぬ「日本病」にかかってしまった
漫画・アニメ産業に根源治療を施し、救う事でしょう。


よって、漫画・アニメファンに向けた政策案の絞り込みを行うとしたら、


【制作会社に向けた政策】
 ・ 電子書籍化やネット配信の強化、それらの海外輸出など、
  コンテンツ産業育成と経済再生の具体的な方法を公約としている。

【制作者に向けた政策】
 ・ 漫画家・アニメーターの労働条件を改善するものである。

【ユーザーに向けた政策】
 ・ 漫画やアニメを支える20代~40代を主とした男性の雇用を、
  最低限の範囲で保障している。


こういった政策を余さず盛り込んでいる所が、漫画・アニメファンにとって
票を託すべき政党と言えるのではないでしょうか。


―――


前置きはここまで。

 
それでは、実際に主要各党の公約要旨の一覧を見ていきましょう。
独断と偏見による評価(最高★5つ)も行ってます。
誤りがあればご指摘下さい。異論・反論も受け付けております。


【公約要旨まとめ】

政策一覧


【民主党】
原本:www.dpj2012.jp/pc/common/pdf/manifesto.pdf

2- 経済(制作会社) ★★
  1. 環境・エネルギー分野を主要産業へと育成し、雇用を拡大する。
  4. 中小企業への支援を強力に行う。
  6. クールジャパン関連の市場規模を9.3兆円(2016年)に拡大。
     国内外のイベント開催や海外放送などで発信を高める。

1- 社会保障(制作者・ユーザー) ★★★★★
  3. 最低賃金の早期引き上げを、企業支援とセットで行う。
     非正規雇用の問題に引き続き取り組む。
     雇用の維持と拡大を明確にし、環境・医療の分野で産業育成を進める。
     新卒世代を中心とした若年者雇用の促進。
  11. 独創性ある新たな文化芸術の創造を振興する。


一見すると必要な事はきっちり押さえられてる見えますが、
再生可能エネルギー事業を経済再生の根拠とするにはいささか弱い上、
何を成長戦略の柱とするのか具体的な明記がなされておらず、
クールジャパン関連の施策はPR活動のみという残念すぎる宣言。
党の想定の中にも、漫画・アニメ産業の育成は入ってないようですから、
「おまえらの事はちゃんと考えてやってるんだぜ」感を出す為の、
見え透いた建前である可能性もあり、政策の実行性に疑いの余地が残ります。

ただ、最低賃金の引き上げや、非正規雇用の問題化など、
漫画家・アニメーターの労働条件改善ともリンクする政策は謳われており、
民主党の支持基盤である労働組合の意見が強く反映されていると言えます。
経済界の意見と戦わせるだけのビジョンはあるんでしょうし、
ILOの後楯もありますから、この辺はまず守られると見るべきでしょう。


【自由民主党】
原本:www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/seisaku_ichiban24.pdf

 ● 経済成長(制作会社・ユーザー) ★★★★★
  ・ 縮小傾向の分配政策→成長による富の創出への転換。
  ・ 産業投資と貿易の双発型エンジンで「ハイブリッド経済立国」を目指す。
  ・ 日本経済再生本部を立ち上げ、日本経済再生・産業競争力強化法を制定。
  ・ 産業競争力会議を設置し、産業の育成と戦略目標の設定を行う。
  ・ 国際経済戦略会議を設置し、クールジャパンの国際展開を進める。

 ● 地方の重視・地域の再生(制作会社・ユーザー) ★★★
  ・ 中小企業予算を倍増し、資金繰りをサポート。
  ・ 地方経済の支援によって雇用を創出。
 (※ 最低賃金の引き上げは方針としてあるけど、公約には無いみたい。)

 ● 社会保障(ユーザー) ★★★
  ・ ハローワークの機能強化等により、ジョブマッチングを進める。


なんでしょうか、民主党政権の3年間を見た後の、自民党の安心感は。
きっちりと成長戦略の柱を打ち出した上で、具体的な政策に落とし込んでいます。
特に、産業の育成によって資本と雇用を創出する、としたのは、
その根拠もはっきりと示しており、大いに評価すべき点であるでしょう。
自民党は以前から漫画やアニメへの施策も出していたので、
これらの産業に強化策が打ち出される事も現実的に考えられます。

しかし、ジョブマッチングの根拠の方は弱く、労働条件の改善にもノータッチです。
雇用の充実に関する項目も地方経済の方に割られてるなど、
おもっきし地方への利益誘導をする気まんまんで、
以前の自民党と同じようにコンクリート事業の仕事を増やす事が、
「1人ひとりの状況に応じた就労支援」に繋がりえるのか、
公共事業のあり方を含めて、過度な期待は出来ないでしょう。


【日本未来の党】
原本:www.nippon-mirai.jp/promise/promise.pdf

 ● 卒・原発(ユーザー) ★★
  ・ 原発稼働ゼロに伴う雇用・経済対策などを実施。
  ・ 再生可能エネルギーの普及により、雇用拡大と経済の活性化を図る。 

 ● 守・暮らし(制作者・ユーザー) ★★★★
  ・ ワークシェアリングによる完全雇用。
  ・ 若い世代の人材育成・キャリア形成の促進。
  ・ 非正規社員の正社員化を促進。


こ…こいつぁ…(ゴクリ) 成長戦略ってどこ行ったん?
新エネルギー事業を産業育成の柱に据えるのはいいとして、
他の産業が相対的に失速したらどうするかのビジョンは持ってなさそうです。
何はともあれ卒・原発頼み、まさに選挙の為だけの公約です。

それに対し、雇用面は社会系の団体が支持基盤になってるので、
かなり充実した社会保障の政策を挙げていますね。
中小企業を同時に支えていく事が大前提になりますけど、
漫画家・アニメーターの生活状況も改善されていくはずです。
ただし、完全雇用に関しては経済成長なくして実現するはずもなく、
具体性には欠けるのではないかと思います。
社会保障の第一歩目も、国が潤ってからの話ですね。


【日本維新の会】
原本:j-ishin.jp/pdf/honebuto.pdf

 1- 経済・財政を賢く強くする(制作会社) ★
  ・ 公共事業拡大路線とは異なる、競争力強化路線を目指す。
  ・ 競争敗者の受け皿を整備、破産法制を見直し再チャレンジを可能にする。
  ・ 政府・自治体の予算事業を(もちろんクールジャパンも)民間に開放する。

 5- 外交安全保障を賢く強くする(制作会社) ★★★
  ・ 文化や技術の魅力を活かしたソフトパワー外交を展開。

 1- の続き(制作者・ユーザー) ★★
  ・ 所得税減税による生産者世代の負担軽減、消費活発化。
  ・ 最低賃金を撤廃し、労働市場を流動化させる。
  ・ 減った分の個人所得は給付付税額控除などで一定保障。


すがすがしいくらいのバランス偏重な放任政策ですね。
コンテンツ市場を金融面でコントロールしてやる代わりに、
出版会社やアニメ制作会社の倒産も好きにしてくれって言ってるんです。
こんな事してたらソフトパワーも落ちて外交どころじゃなくなる訳で。

ご存知のように漫画・アニメ産業は、最低賃金維持が守られない事で、
人的労力のかかる作品を安く仕上げている現状が既にあります。
これが原因で人材が流動化し、売れるコンテンツだけが再定義・再生産され、
競争力の弱いコンテンツは市場から淘汰されてきました。
その結果が市場規模の縮小なのですから、税制面以外で全く無策なのは、
漫画・アニメファンにとっては喜ばしい事ではないでしょう。
絶滅危惧種の週刊少年サンデーの安否も心配です。


【公明党】
原本:www.komei.or.jp/campaign/nipponsaiken/manifesto/manifesto2012.pdf

 4- 力強く伸びる日本経済へ(制作会社) ★★★★
  1-4. 日本の強みである成長分野に対して重点的な投資を行う。
  6-1. 中小企業政策の充実を図り、投資を促進する。
  2. 中小企業の再生計画を補助し、再チャレンジを支援する。
  7-1. アニメなどの文化関連予算の倍増を目指す。

 5- 一人ひとりを大切にする社会へ(制作者・ユーザー) ★★★★★
  1-1. 「若者雇用担当大臣」を設置し、新成長産業から雇用を500万人創出する。
  2. 産学官の連携を強化し、雇用のミスマッチと非正規の格差を解消する。
  3. 一般就労の難しいニートの為に、中間的な就労の場を設ける。
 (※ 自民党と同じく、最低賃金の引き上げは方針としてあります。)


まさかの本命きたこれ。漫画・アニメ産業における諸問題について、
両輪のバランスが揃った政策を挙げています
文化関連予算の倍増を「目指す」ってとこが引っかかりますが、
社会保障の面でも若者をターゲットとしたビジョンを明確にしている事から、
政策の実行性にも問題は無いと見ていいと思います。

この党は創価学会(法華系)を支持母体としていますから、
霊友会の顔役である維新の会の石原慎太郎代表と同様に、
たとえ悪策を打ち立てようが、問答無用で支持される恐れはありますが、
その辺の事情は建築関係の組織票で後押しされてきた自民党と変わらないので、
宗教アレルギーの無い方であれば、投票先の1つとして考えてもいいでしょう。


【みんなの党】
原本:www.your-party.jp/file/agenda201212.pdf

 Ⅱ-A-  経済成長戦略で雇用を増やす(制作会社・ユーザー) ★★★
  1-1. 規制改革・税制改革によって地域産業を創出。
  9. 産業リソースを成長が見込める分野にシフトさせる。
  10. 輸出産業としてブランドコンセプトを創出し、海外プラットフォームを設立。
  11. ネットによる新規ビジネスを振興する。

 Ⅱ-A- の続き(制作者・ユーザー) ★★★
  5-2. 非正規・正規での同一雇用条件の徹底。
  3. 新卒採用による雇用慣行を是正し、正社員の解雇ルールを法制化する。
  5. 若年世代の就職促進の為、既卒者支援を拡充する。
  7. 最低賃金を段階的にアップし、サービス残業を強く取り締まる。
  9. 人材サービス企業がハローワークの情報を活用し、ジョブマッチングを図る。


マニフェストを「アジェンダ」と言い換えたり、人と違う事をやりたいのがこの党。
統一教会派だけあって、既得権益からの脱却には期待が持てますが、
あれもやる、これもやると言って、捻出した予算をどこに集中させるのか、
政党カラーがいまいちはっきりしてません

ただ、急造でこしらえた政党よりは政策の根拠がはっきりしています。
維新の会と似たような競争化社会への転換を訴えてるんですが、
競争敗者へのセーフティネットの強化策も示されてますし、
「官から民へ」の一辺倒でもなく、コンテンツ産業への拡充も謳われてます。
全体最適という意味では、いちおう左右の偏りは見られないと思います。
要はこれが実現出来るかです。どこかで優先順位を付け、
やりたい事を絞らない限り、第2のマニフェスト詐欺になりかねません。


【日本共産党】
原本:www.jcp.or.jp/web_policy/data/2012_senkyo-seisaku.pdf

  1- 国民の所得を増やし、内需を活発にする(制作会社) ★★
  2. 大企業の内部留保金260兆円を、雇用や中小企業に還元する。
    中小企業予算を1兆円に増額し、支援を強化する。
    下請け取引を適性化し、「単価」たたきを止めさせる。

 1- の続き(制作者・ユーザー) ★★★
  2. 大企業が行うリストラを規制し、整理解雇4要件を法制化。
    正規雇用を原則とし、非正規雇用を規制する。
    労働時間を短縮させる為、サービス残業を根絶する。
    最低賃金を1000円以上に引き上げ。


最もバランスが悪いのがここ。未来の党と同じく成長戦略が見えないのに、
社会保障だけはやたら手厚いという、極めて現実性の無い政策です。
まず企業が潤わなきゃ最低賃金1000円とか夢物語な訳で。
でも夢はあります。夢もへったくれもない某党よりはいいかなー。

文句ばっかり言っててもしょうがないので長所を探すと、
共産党と社民党は、「下請け取引の適性化」が目玉政策になります。
もしこれが成長戦略を掲げる党で実施されれば、
はっきり言ってこれだけでアニメ制作会社は救われます。
どちらにしろ、経済成長が果たされなければ絵に描いた餅ですので、
共産党と連立しそうな政党を見つけるしかありません。
でも、社民党か未来の党ぐらいしか組むとこって無いよね…。


【社会民主党】
原本:www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/2012/data/manifesto_all.pdf

10- 「地域力」アップで創造的地域社会の実現(制作会社) ★★★★
  1-4. クールジャパン事業を拡大、雇用環境の整備も実施する。
  2-1. 「中小企業担当大臣」を設置し、下請け取引の監視機能を強化。

13- 「子ども・若者・女性」人生まるごと応援(制作会社) ★★★
  2. 中小企業対策予算の増額、ブラック企業名は公表する。

  5- いまこそ、人間らしい働き方を(制作者・ユーザー) ★★★
  1. 環境・エネルギー分野に投資し、雇用を創出する。
  2. 正規雇用の原則化、非正規雇用の格差是正。
  4. 最低賃金を段階的に1000円以上に引き上げる。
  5. 長時間労働とサービス残業を規制する。
  6. 整理解雇4要件の厳守、ワークシェアリングを新要件として追加。
  9. 若者の就労・起業・職業訓練の支援を強化。

13- の続き(制作者・ユーザー) ★★
  2-1. ハローワークに若者向けの正規専門職を配置。
  3. 若者の文化活動を助成し、ネット創作物の表現規制に反対する。


極厚資料(笑)が光る社民党の政権公約。 盛り込みすぎです。
経済成長よりオスプレイが喫緊の課題ってどうなのよ。
もう少し優先順位を付けて政策を絞るべきだとは思いますが、
全体の狙いははっきりしてて分かりやすくはあります。
そして、クールジャパンに加えて雇用環境の整備をも挙げてるのはここだけ。
漫画家・アニメーターへの問題意識が高いという事に他ならないでしょう。

残念なのはやはり、経済対策が薄いのに社会保障の厚遇化を謳ってるとこで、
共産党よりは幾分ましにしろ、とても現実的ではありません。
政策として面白い案もあるので、どこかと連立して実現して欲しいですね。
でないとせっかくの良案も活かされないですし。


―――


皆さんのご参考になりましたでしょうか。

公約に違いはあれど、この国が少しでもよくなって欲しいという気持ちは、
どの党も、そして有権者も、みんな同じであると思います。
そう、オール・フォー・ジャパンの精神です。今いいこと言った。
これさえ忘れなければ、どこに投票しても後悔はしないはずです。
あなたの勇気がこの国を変える。さぁ踏み出せ未来へ。

投票日は、12月16日です。



ご清覧ありがとうございました。