漫画道場で公開してきた漫画論の一覧です。

当道場の論評は、手塚治虫先生の漫画記号論をベースとしており、
漫画を「小説と映画の中間媒体」として定義しております。
様々な学術的観点から漫画を論じる事で、サブカルチャーの垣根を越え、
芸術文化としての表現力を広く伝えていくのが目的です。

漫画への理解の一助になれば幸いです。


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入門

叙述と映像
 まずは簡単に、メディア論から見た表現方法の違いから。
 小説と映画の中間媒体としての漫画の優位性について述べています。

スラムダンク
 小説表現の延長であった漫画がいかにして映画表現に近付き、
 表現力が磨かれていったのかを、『スラムダンク』を例に説明しています。

よつばと!
 モダニズム文学の観点から見た『よつばと!』と川端康成の共通点を挙げ、
 漫画表現がハイカルチャーに比肩する事を論じています。


中級

記号論
 入門編からより踏み込んで、台詞と絵で「何を」表現するのかを、
 "象徴"化というキーワードを使って解説しています。

3月のライオン
 "自己否定"をテーマにした夏目漱石の『こころ』と比較させる事で、
 『3月のライオン』の主人公が"自己肯定"に至った経緯を明らかにしています。

HUNTER×HUNTER
 冨樫義博・荒木飛呂彦の両先生の表現方法の変遷から、
 漫画表現が読者の理解を越えるほどまでに進化した様子を追っています。


上級

シンボル哲学
 「何を」表現するのかを突き詰めた結果、漫画が到達した表現の高みを、
 抽象表現による記号化というシンボル哲学の観点から解説しています。

20世紀少年
 20世紀の"象徴"文化をそのまま作品にした『20世紀少年』を紐解き、
 古き良き時代の背景をも完璧に踏襲した表現力に迫ります。

ワンピース
 たった1つの表現で何百万の理解を得るほどの表現力を得た漫画作品を、
 坪内逍遥が『小説神髄』で著した表現の極意から掘り下げます。


キャラクター論

概論
 シンボル哲学から得られた"象徴"化を、単純表現にまで落とし込んだ
 キャラクター作りの本質について述べています。

めぞん一刻
 相反する2つのキャラクターを渾然一体に描いた、
 高橋留美子先生が生み出するーみっくわーるどの魅力を伝えています。

ドラゴンボール
 "尻尾"という形而下学的に象徴化された悟空の"野生"が、
 どのように失われていったのかを解説しています。(そのうちアップするかな?)


作画論

イメージの実像化
 まずは作画のメカニズムから。「絵」の上手い人と下手な人の違いから、
 上手い「絵」を描く秘訣を探っていきます。

実像のイメージ化
 作画について理解した所で、今度は漫画に必要不可欠な、
 特徴の抜き出し方について詳細に述べています。


【ストーリー構成論】


 作画論に続いてアップ予定。


【演出論】

 ストーリー構成論に続いてアップ予定。


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ご清覧ありがとうございました。