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覚者神剣の伝承者・アドナイの下で働く派遣社員のリン。
ドラゴンのルーツを探るべく、"救済"の地下集会に潜入するも、
そこで待っていたのは、リンとバットの上司・ギレンだった…!


 中 世 紀 救 世 主 伝 説

 覚者の剣 第6話「ならば愛のために闘おう」~前編



―――


なぁマクシー。


> マクシミリアン
 ま、まくしー?

 …ゴホン、なんですか?


覚者サマが登城なさって、何時間経つ?


> マクシミリアン
 …そうですね、先ほど正午の鐘が鳴りましたから、
 2時間くらいだと思いますよ。


ちげーよ、そうじゃねぇよ!
なんで私らは2時間もこうして外で待たされてんだって話だよ!


> マクシミリアン
 Σ(゚ロ゚;ノ)ノ


> バット
 まぁそうカリカリすんなよ。生理か?


……。


JETアッパー


まぁ…茶番はいいとして、だ。
マクシーよぉ、あたいもお城に入れとくれよぉ。


> マクシミリアン
 駄目です。ポーンの民の皆さんには登城許可が出ておりません。


そこを何とかしとくれってばぁ。


> マクシミリアン
 駄目です。王の命令ですから。


チッ…しょうがないな.

ほら、これが見たいんだろ?
あたいのシルクランジェリーだよ…(〃∀〃)チラッ


まが男

> マクシミリアン
 …。


……。
上等だ…。

全員皆殺しにしてやる!


ピシャービリビリーッ!


うぎゃーーーっ!

くそおおっ、指輪めぇぇぇ!


> バット
 ぷぷ…ざまぁw
 私情は禁物って何回言やぁ分かんだよ。


> マクシミリアン
 おや、戻られたようですよ。


ギイィ…ドスーン…


> アドナイ
 すまない、待たせたな。


覚者サマーん!


> アドナイ
 いい子にしてたかい、ハァハァ(*´д`*)


はい! リン子、おりこうでした!


> バット
 …。

> マクシミリアン
 ……。

 まぁ、ともかく。
 アドナイ殿、謁見お疲れ様でした。


> バット
 ところで、領王ってのはどんなやつだったんだ?


> アドナイ
 うむ…。


―――


> フェステ
 さあて、いよいよ領王はじめのお歴々と田舎戦士の顔合わせ。
 何事も、第一印象が大事とて、道化のフェステの心遣い。


> アドナイ
 なにこの帽子…。


> フェステ
 いえいえ、お礼はご無用。さあさ、もう時間がない。
 どうぞこちらへ、戦士殿!ウフッフ~♪


> アドナイ
 え、ちょ…話を聞け…


バターン!


> ぷっ、はははは…。

> 何だあれは、王前であるというのに。

> ふっふっ…所詮は田舎者、か。


> シッ…静粛に、領王様がお話しになられるぞ。


ラオウ

> エドマン
 ふむ…余の王冠よりも立派ではないか。

> アドナイ
 (☆Д☆)・‥…━━━キュピーン!

 (な…何という威圧感…!)


> エドマン
 …この地を治めて数十年、かような危機の訪れを予見はしておった。
 だからこそ兵を募り、城塞を築き、有事に備えたのだ。

カツ… カツ… カツ…


> アドナイ
 (やだ、胸が…ドキドキしちゃう!)


> エドマン
 そして覚者よ…おぬしが現れ、ドラゴンもまた現れた。
 その意味、とくと考えるがよい。

> アドナイ
 (これが…「竜王」の異名を持つ王者の風格!)


> エドマン
 そなたに告げる。
 領土を預かる王の名において、領内での働きを許す。
 竜征の任務、しかと成してみよ!


> アドナイ
 はっ…承知仕る!


> エドマン
 政務官のオルダスに、余から勅命を出しておる。
 ふさわしき戦いの場を、おぬしに施そう。

 邪智暴虐たるドラゴンより、この地を守る為の手勢…、
 今は1人でも有り難い…。そなたも、存分に励むがよい。







…。

で、お顔を赤らめて帰ってきた訳ですか。


> アドナイ
 領王はかつての覚者神剣の伝承者…。
 その剣圧は、離れた相手にも届くという。

 俺の胸に残る竜爪の傷も、激しい高鳴りを覚えた。
 触れられずとも逝きそうになるとは…。


そろそろ突っ込むべきなのか。


> バット
 まぁとにかく、話を聞いてる分だと、
 オルダスっていうおっさんの所に行けばいいんだろ?

> アドナイ
 そうだな…、今日はいったん宿に戻って、
 明日の朝にまた登城しよう。


…ふーん。


―――


ケンシロウ

> アドナイ
 …。


(うん…あれは?覚者サマ?)

(こんな夜中に宿を出て、どこに…。)


> アドナイ
 ……。



ユリア

> …あら?
 ウフフ…。

 ごめんなさい、戦士様。だってあなた、
 とても険しいお顔立ちでいらっしゃるのに…これ…。


> アドナイ
 あ…あぁ、帽子…。


> アハハハ…ウフッ…。
 でも、厳めしいばかりの人達よりよっぽど良いと思います。
 勇敢さは、心に宿るもの。見た目ではございませんもの、ね。


> アドナイ
 そういうものか。


> 素敵な帽子の戦士様。
 そう言えば、わたくし、お名前を伺っておりませんでしたわ。


> アドナイ
 俺は覚者神剣のアドナイ。
 ドラゴンと戦う宿命を負った者だ(キリッ)


> 覚者…?ごめんなさい。
 わたくし、戦の事はよく分からなくて…。
 戦をする方は、皆、戦士というのだと思っていましたわ、戦士様。


> アドナイ
 貴女の名は何と…?


> エリノア
 申し遅れました、わたくし、エリノアと申します。
 先日、この地に嫁いで参りましたの。
 戦士様は、これから領王様の下で、ご活躍なさるのですね。


> アドナイ
 …!

 すると、貴女は領王のご令室…。


> エリノア
 素敵な帽子は、覚者という者の印であったりするのですね。
 それを、わたくし、可愛いなどと思ってしまって。
 ごめんなさい、戦士様。


> アドナイ
 これは道化師が勝手によこしたものだ。
 俺には必要ない。


> エリノア
 まあ、帽子を下さるのですか?
 有り難うございます、覚者様。大事に致しますね。
 ウフフフ…。


> アドナイ
 もう行かねば…。
 従者を城の外で待たせているのだ。


> エリノア
 戦士様のご無事をお祈りしておりますわ。
 また、次の出会いに…。



ケンシロウ

> アドナイ
 ……。


(覚者サマ?お城に何の用が…?)



> マーベル
 あのう、覚者様…、お嬢様…エリノア様がですね、
 覚者様とゆっくりお話ししたいと申してましてねぇ。


> アドナイ
 何っ、あの麗人が?


> マーベル
 いえいえ、ねえ、珍しいのですよ。
 あの控えめなお嬢様が、こんな頼み事を、ねえ。
 私もお嬢様に仕えて長いですが、
 初めての事でございます事よ、本当に。

 それで、まあ、ねえ。
 お嬢様も、今はほら、奥方様な訳でございますから、ねえ。
 お話をされるだけ、とは言っても、
 城の者に見つかったら、いろいろと、ねえ。

 ですから、覚者様、くれぐれも見つからぬよう、
 夜にでも、お嬢様のお部屋にいらしていただければ、と。




> アドナイ
 エリノア…殿。


(あ、お城に入ってった!)


城内は、夜間は特別警戒中なはず…。
ま…まずい!


バットー!
起きろーバットーー!!


> バット
 んあ…母ちゃんもう勘弁…。


誰が母ちゃんだ、大変なんだよ!
覚者サマが1人でお城に潜り込んじゃった!


> バット
 …ん、…な…
 …何だって!


どうしたんだろう、私達を置いていくなんて…。


> バット
 う~ん…、謁見の時に何かあったんじゃないのか?

 とりあえず、さ、俺達は城内に入れてもらえないんだから、
 アドナイ様が戻られるのを待つしかないぜ?な?


うん…そうだね…。


―――


> マクシミリアン
 これは皆さん、大変な事になりましたよ。

 昨晩、アドナイ殿が王后様の寝室に侵入した罪で、
 牢獄に捕らえられたとの事です。


(゚д゚lll)エーッ!

なにそれ!何で覚者サマがそんなとこに!?


> マクシミリアン
 なんでも、アドナイ殿は王后様に庭園で会われた際に、
 ストーカー行為を働いたそうですよ。


> バット
 ああ…あいつならやりかねんな…。

> マクシミリアン
 まったく、残念な事です…。


何言ってんの!!


> バット
 …!
 ど、どうしたんだよ急に…?


覚者サマがそんな事するはずがないわ…!


> バット
 いやいや、あいつの変態ぶりはお前も分かっているだろ?
 こりゃもう弁護のしようがないぜ?


覚者サマはねぇ、覚者サマはねぇ…


ロ リ コ ン な の よ !!


> バット
 ハッ!(`ロ´;)

 た…確かにリンの言う通りだ…!
 マクシミリアンの旦那…。


> マクシミリアン
 …どちらにしろ、危ない方なんですね。


とにかく、覚者サマが釈放されるのを待ちましょう…。
だいじょぶ、絶対あの方は手を出されてない。


>バット
 …いやにあいつの肩を持つんだな。


> マクシミリアン
 むっ…開門です。
 覚者殿が戻られたようですよ。


ギイィ…ドスーン…


ケンシロウ


か…覚者サマーーーん!


> アドナイ
 リンたん…待っていてくれたのか…。


当然じゃないですか!
私はあなたの専属の従者ですよ!


> アドナイ
 そう…だったな。


> バット
 よう、覚者様よ。事情を聞かせてくれねぇかな。
 リンは昨日の夜からずっと城門の前で待ってたんだぜ?


> アドナイ
 うむ…あまり大きな声では言いにくいのだが、

 …密会の現場を目撃されてしまったのだ。


…え。


> アドナイ
 領王との謁見後、王后の使用人から呼びとめられてな。
 夜に王后のもとを訪ねてきてくれとの事だった…。

 王后とは庭園で少し話をしたのだが、麗しき姫君であった。


> バット
 何だ、あんたやっぱりエリノア様とデキてたのか。


嘘…でしょ…?


> アドナイ
 …は?

 何を言ってるんだ、お前は?


> バット
 …は?


…え?


> アドナイ
 確かに俺は王后の部屋を訪ねていったのだが、
 そこにおいでであったのは…


 …領王だったのだ!



(;'=');'=') は?



> アドナイ
 領王は謁見の時、一目で俺を見初められたとの仰せ…。
 だが、領王はシャイなお方であらせられた。
 そこでエリノア殿の名を使って、俺を呼び出されたそうなのだ。


え…て事は…?


> アドナイ
 ああ、熱い夜だったよ…。


くそみそテクニック


領王サマもそっちか!


> アドナイ
 しかし、現場を王后に目撃されてしまい、
 こってりしぼられて牢獄に押し込まれていた訳だ。
 まぁ、領王の寛大な恩赦に救われたがな。


一生出てこなくてよかったかもね。


> アドナイ
 リンたん、怒らないでくれ。
 俺はリンたんの…


> ねぇ…あなた。


> アドナイ
 …?

 むぅ…?


キュアピース

> あなた、覚者様でしょ?
 お父様を助けてよ!


> アドナイ
 ━━(  ゚Д゚)━━!!



ちょ…何よあんた、話の途中なんだけど?


> アドナイ
 少女よ、名を聞こう…。


> シモーヌ
 あたし?…シモーヌよ。
 それより、お父様が大変なの!

> アドナイ
 落ち着いて話すんだ、父君がどうされたのだ。


> シモーヌ
 お父様が…領都兵に逮捕されちゃったの!!


―――


ハート様

> フォーニバル
 いきなり兵士どもが押し掛けて、この有様だ。
 なんで私が、こんな目に合わねばならん!
 まったく理不尽極まりないわい!


…どうしてこんな醜男から、あんな可愛い子が?


> アドナイ
 なるほど…な。
 オルダス殿に嫌疑をかけられているのか。

 しかし、賄賂・詐欺・監禁・機密漏洩・救済への加担、
 どれを取っても救いようがない。


> フォーニバル
 …おい、あんた。…査問が終わるまでは、まだ少々時間がある。
 なんとか無罪放免となるよう、手回してくれんか。


> アドナイ
 事情は分かった。


> フォーニバル
 乗り切ったあかつきには、報酬を与えるぞ。
 どうだ、悪い話じゃなかろう?
 こんな茶番、さっさと終わらせて元の生活に戻りたいのだ…。


> アドナイ
 フッ…貴様の蒔いた種だろう。大人しく裁きを待つ事だな。

> フォーニバル
 な…おい、待て!


ふふっ…じゃーね、おじさーんノシ


> シモーヌ
 ねえ…お父様はどうなるの?何とかならないの!?


> アドナイ
 …!


> シモーヌ
 …あたし、お父様を助けたいわ。
 お父様は悪い事にも手を出していたかも知れないけど…
 あたしにとっては…


> アドナイ
 シモーヌたん…


たん?


> シモーヌ
 お願い覚者様、お父様を助けて!


> アドナイ
 …喜んで力を貸そう(〃∀〃)


…え。

工工エエエエエェェ(´д`)ェェエエエエエ工工


何言ってるんですか覚者サマ!
こんな親子に協力してやる事なんてないですよ!


> バット
 覚者様よぅ…あんた、まさか。

> アドナイ
 バット…男には、やらねばならぬ時がある…。

 それが…「今」なのだ!


くっそ、どうせこの子が幼女だからだろうが!


> アドナイ
 (*∩ω∩)テヘッ

 …よし、では早速取りかかろうか。


ハァ…こうなったら乗りかかった船よ。
まずは無罪放免してもらう為の嘆願書を集めましょう。


> アドナイ
 さすがはリンたん。
 白昼に輝く星のごとき冴えようだ。

 では、シモーヌたんも一筆書いてくれるかな?


> シモーヌ
 …嘆願書?

 ええ、そんなものならいくらでも書くわ。
 お父様を助けられるなら、こんなの安いものよ。


―――


> ジェフリー
 なんと…フォーニバル氏が査問に?
 …それは遺憾ですね。彼は確かに、素行に問題はありました。
 人から妬まれ、疎まれる事もあったでしょう。
 しかし、他者を貶めて悦に入るような、邪悪な魂の持ち主ではありません。

> アドナイ
 すまない、司祭殿には迷惑をかける。

> ジェフリー
 よろしい…私が、嘆願書に署名しましょう。
 彼の無罪を、私は信じます。







> フェデル
 フォーニバルが査問にかけられるそうだな。
 ふむ…奴がここで断罪されるような事があれば、色々と面倒、か。

 私は氏と個人的な付き合いがあり、無実を信じたい。
 覚者殿よ…貴殿に嘆願書を預けよう。
 無罪を主張する証拠に役立ててくれたまえ。

> アドナイ
 いいだろう、確かに預かった。

> フェデル
 奴にはもう少し、長生きしてもらわねばな…。







…よし、次は証文ね。
フォーニバルさんの善行を示す物的証拠を集めましょう。


> アドナイ
 シモーヌたん、貴女の父君が何か、
 人から敬われるような功績を残した事が分かるものは無いか?

> シモーヌ
 お隣りの国の官僚の方から賜った感謝状があるわ。
 こんなもので役に立つかしら。

> アドナイ
 よし、これでいいだろう。


> バット
 …あのさ。

> アドナイ
 どうした、バット?


バット

> バット
 フォーニバルのおっさんは国から疑いをかけられるほど、
 色々とやばい橋を渡ってきたんだろ?

 …紙切れだけ集めても、悪い印象を覆せるとは思えないぜ。


おお…バットのくせに筋の通った意見を出しやがるな。
あんた、部長が言ってた通り、頭は良いのね。


> バット
 このやろう…。
 俺も一応、お前の上司なんだけどな。


現場では結果が重視されるのよ。
フォーニバルさんの嫌疑を晴らす事に、上も下も無い(キリッ


> アドナイ
 では、どうする…?
 潔白を証明してくれる証人でも探すか。


> バット
 俺に任せときなって。
 おっさんが渡った橋を辿れば、必ず世話になった奴が見つかるだろ?

 マクシミリアンの旦那にそこんとこを尋ねて、
 おっさんと取引してたルートを当たってみるよ。


な…なんだこの名探偵ぶり。







領都北、風断ち峠にて―


> ダリオ
 伝令から聞きました。
 フォーニバル氏が、査問にかけられるそうですね。

> バット
 そうなんだよ、前線拠点を任されてるあんたとしては困るだろ?

> ダリオ
 困りましたね…。
 彼には武器調達において色々と便宜を図ってもらっておりますから。
 今、彼の活動が制限されたり、万が一、有罪となったりすれば…。


> アドナイ
 俺からもお願いしたい…。
 フォーニバル殿には、幼い息女も居るのだ。


むしろそっちがメインだろうけどね。


> ダリオ
 ふむ…ここは拠点防衛の兵士の意見として、
 我々も彼の無実を支持するとしましょう。


> バット
 よっしゃ!恩に着るぜ!


> ダリオ
 残念ながら私はここを離れられませんが…
 私の部下を、代わりにお連れ下さい。
 フォーニバル氏と、ひいては私どもを助けるつもりで…
 宜しく頼みましたよ。

 あとは、部下に直接お話し下さい。

> カストル
 カストルと申します。ダリオ兵士長から、全て伺っております。
 領都までの護衛、宜しくお願い致します。


> アドナイ
 よし、これで証拠は集まった。
 領都に戻って、オルダス殿に掛け合ってみよう。



 第6話 後編に続く~


―――


なんと…字数オーバーしてしまいました。
という訳で続きは次回!



ご清覧ありがとうございました。